starposの日記

思ったこと感じたこと考えたことを書く

ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」

バランスが大事などと人には言っておきながら,自分のことにはなかなか無頓着なものであると最近思うようになった.特に,潤いが足りないことに気がついてからは,小説を読もうと決めた.ここ3年くらい,小説なんて数えるほどしか読んでいない気がする.というわけで,いつか読もうと思って買ったまま自宅に放置されていた「車輪の下」を読んでみた.

なんという救いのない話だ.1975年訳だから日本語がすんなり入ってこないのに加えて,その内容に救いがない.太宰治を思い出した.訳者あとがきによると,ヘルマンヘッセ自体は母親のおかげで救われたが,小説の中の彼は母親が早くに亡くなっていたため,そのような悲劇的な人生を送ったというのだ...
狂気,という言葉が適当なのだろうか.

まあなんというか,ハッピーエンドが良いなんてそんなことを言うつもりはないが,小説を読もうと思って意気込んで読んだ最初がいきなりこれかよーという感じではあった.まあそれでも少し心は潤った気がする.次は人から借りたままになっている村上春樹でも読むか...