starposの日記

思ったこと感じたこと考えたことを書く

朝,黄金の時間

この4月から週二日でフルタイム(9:00-18:00)のバイトをしている.これだけでとりあえず死なない程度のお金を稼ぐ.ただ,学生気分をこの春まで続けて生きていたせいか,朝起きるのがきつくて仕方がなかった.だから時間がギリギリになる.

東京というところはとんでもないところで,朝,大量の人間が中心部に働きにやってきて,夕方から夜にかけて大量の人間が逆方向に向かう.だから,私もそれに否応なく巻き込まれ,ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られて仕事場に向かっていた...銀座線渋谷駅なんてとんでもない.8時半頃そこに行くと,そこには,改札の外まで大量の人が並び,1分間隔で来ているとしか思えない電車にどんどん人が吸い込まれていく滑稽としか言いようがない絵が現実のものとして存在していた.

電車の中で本が読みたい人間としては,ある以上の混雑は,害であり,時間の無駄でしかないと考える.よって,せいぜい120%くらいの混雑率で電車に乗りたいと思うようになった.ちなみに9時に仕事場に着こうとするときは,おそらく200%を越えているのではないかと思う.そこで,8時過ぎには仕事場近くのコーヒー屋に行くようにし,その時間を自分の好きなことをやる時間にすることにした.

知識としては知っていたが,こうして実感してみると,確かにこれは黄金の時間なんだろうと思う.自分の時間をいかに作るか.頭がすっきりしていてゆっくり考えられる時間を作らないで,色々なことに忙殺されていると,きっと,なりたい自分から遠ざかってしまうことだろう.本当は思考がノってきたら,3時間でも5時間でも考えることに没頭したい人間なのだが,今は贅沢を言わないようにする.

さて,バリバリ働くか.

やっと大人になろうと試みる.

やっと,大人としての第一歩を歩み始めた気がする.

研究室を出た.博士号はまだ取れてない.
ベンチャーを手伝う.バイトをする.正直しんどい.時間もない.だけどこの道を選んだ.

多分今のおれに大事なことは,自分の力で生きる,ということなのだ.
一人で生きているなんておもっちゃいない.たくさんの人と関わりながら,助けられ,生きている.ただ,これまで助けられた分,これからも助けてもらう分,それに見合う貢献をおれは周りの人に,世の中に対してしなければならない.それを出来るようになることが,大人になることなのだ,とおもう.だから,その自覚をもって,まずは一歩.

歩き始めたら,あとは早い気がしている.

CouchDBその他について思うところ徒然

ある人にCouchDBの潮流ってどうよ?と聞かれたので,興味をもって多少調べてみたら結構いろいろ言いたいことが出て来てしまい,自分の考えもなかなかまとまらないなーと思いつつ,とりあえず書いてみた文をそのまま載せてみる.



CouchDB に関して,名前は知っていましたが,中身は知りませんでした.DBLPで検索しても,論文らしきものは見付かりませんでした.アカデミアでは注目されていないのではないかと思います.

せっかくなので,少し調べて,色々考察してみました.公式サイトの説明が一番詳しいようです.
http://couchdb.apache.org/docs/intro.html
http://couchdb.apache.org/docs/overview.html


・データベースシステムとしての特徴について

Relational DBMS に対して,Google や Amazon がデータインフラのレイヤで何を犠牲にしているかといいますと,ACID特性のうち,Consistency と Isolation の部分です.CouchDB も同様です.各社微妙に違うのですが,Conflict の解決を Application に委ねるようになっていたり,Secondary index 的なものが使えなかったりします.Google や Amazon は,彼等のメインアプリケーションのために,Relational DBMS で出来ることのうち必要十分な機能のみを,コモディティ分散環境で高速,大規模に動くようにしたものであると言えます.逆に,今の Relational DBMS の全機能を既存の技術でGoogle や Amazon のような分散環境での巨大なデータベースに対して適応しようとすると,簡単に性能面で破綻します.全然スケールアウトしません.CouchDB はどちらかというと,ソースコードマネジメントシステムのGit などと同じようなコンセプトに見えます.(git push を自動でやるようなイメージ)データベース規模ですが,一台のサーバ上に格納できるサイズ以上のデータベースは作れません.つまり,データベースの仮想化は出来ません.また,せっかく replica があるのに,読み込みの負荷分散もデータベースシステムとしては現状では意識していないのではないかと思われます.

CouchDB でも採用されている Conflict の解決をApplication が行うべき,というコンセプトは従来の Relational DBMS よりも柔軟性があると言えます.Google や Amazon でもデータの versioning をすることで似たようなことをやっています.


データ形式について

CouchDB で扱う半構造データというのは,データの関係性の定義をアプリケーションに依存するということの裏返しでもあります.データセマンティクス(Relation や Constraints) がデータベース側で完結していない,アプリケーション内にしか記述されていない情報があるということです.すなわち,アプリケーションによって,同じデータの扱いにぶれが生じる恐れがあります.これは,XMLでも同じですね.複数のアプリケーョンで同じデータを扱うときは注意する必要があります.

個人的には,データのセマンティクスは可能な限りデータベース側に集約させて,かつ柔軟性があるものを実現することは可能であり,また,そうするべきだと思っています.それは今の Relational Database でも,XML Database でもありません.本質的なデータ構造の表現形式があり,そのサブセットとして,Relational Database とXML Database を表現できるはずです.(近年アカデミアで起こっている RDBXML DBの闘争は私からは不毛な争いに見えます.)この辺の話はきちんとやれば論文になるのではと思っているのですが...

XMLなどのようにテキストのままデータを格納する,というのは性能面で問題があります.ポータビリティが必要なのであれば,それは,View として表現すべきで,実際の data representation は,コンピュータにやさしい形式にすべきです.CouchDB はこの考えに近くてちょっとうれしいです.


・データアクセスインターフェースについて

インターフェースは,これも解釈にぶれがなければ何を使っても問題ないと思います.CouchDB の場合は,RESTという標準(?)でデータアクセスできるわけですが,wrapper を書けば他のDBMSでも同じことは出来るわけですから.そういう意味では,SQLという言語は結果にぶれはないのですが,高速な実行メソッドが,データの分布やそのレイアウトなどに依存し,オプティマイザが大変という側面があります(大変なのはほとんどJoin).MapReduce は高速な実行メソッドがほぼ一意に決まります.


・MapReduce について

CouchDB の MapReduce 処理は,全ての Replica に対して,処理を分散させているのかどうか,ちょっと確認できていません.Replica が増えればその分 MapReduce の速度が上がるようになっていれば良いのですが...MapReduce は,Relational 演算のうち,Projection,Selection,Grouping,Sorting,Aggregation,しかサポートしません.Product や Joinは,MapReduce を直列に実行することでエミュレートできますが,本来はもっと高速に実行できるはずです.ただし,これは上で述べたように難しい問題だと思いますから,みんな避けているのだと思います.Microsoft も Dryad とかいう cloud フレームワークで頑張っているみたいですが...


・まとめ

ドキュメントから想像される CouchDB の設計のシンプルさはインフラ屋としては好感が持てます.彼等がターゲットにしている,オフライン時でもアプリケーションを動かせて,オンラインになったら勝手にデータをサーバと同期する用途に使う分にはいいかも知れません.データベースシステムとしてはあまり期待できません.


とりあえず思ったことをつらつらと書いてしまいました.考察が足りず,勘違いしているところがあるかも知れませんが,ご参考になりましたら幸いです.

デジタルネイティブとデジタル移民

デジタルネイティブというキーワードは,NHKスペシャル
http://www.nhk.or.jp/digitalnative/
を見て,始めて知った.

http://www.digitalnative.org/
によると,1982年生まれ以降は,デジタルネイティブになり得る,といった感じらしい.思春期までにインターネットの使用が日常になったかどうかが,デジタルネイティブとそうでない人の違いということだろう.残念ながら私は 1981 年生まれであり,大学に入った 1999年からインターネットを使い始めた.だから,ネイティブではない.情報収集の道具としては重宝しつつも,自分というものを世界に発信することを恐れていた.恐れなくても良いと思えるようになったのは最近である.使い方を知ればよいのだ.自転車や車の運転,包丁の使い方,などなど,一歩間違えれば危険である道具など世の中ごまんとある.インターネットはその一つ,ということだ.誰だって,自分のブログの炎上は嫌なものだし,また,うっかり書いてしまった漏らしたくない情報が漏れたらまずいだろう.それらのコントロール方法をいつの間にか体得してしまったのがデジタルネイティブ,というならしっくりくる.デジタルネイティブではないが,後天的に同様の能力を身みつけた人間をデジタル移民(digital immigrants)と言うらしい.デジタル移民になるためには,インターネットでの自分の発信の仕方,というものをある程度意図的に努力して獲得する必要がある.だが,それは単なるスキルであり,車の免許を取ったり,包丁の使い方を覚えるのとさほど変わらないはずだ.その体系的なノウハウがまだ人類のコンセンサスになっていないだけであろう.

なんでこんなことを考えたかというと,id:Hash に会って意見交換をしたからである.彼は現時点で,はてダのランキング100位くらいの上位にいる,自分を発信し,現実で会ったことのない人々とコミュニケーションを取っており,私もこうありたい,と思う活動をしていた.彼のブログのあるエントリを見て,その価値観や意見に私の中の何かがこの人物に会え,と命令し,私はその意に従い,すぐに意見交換したいとメールを送ったわけである.思い立ったら吉日.最近の私は行動を起こすのが早くなった.

私が思うに,彼はデジタルネイティブではなく,デジタル移民である.彼が自分を発信しはじめたのは,まだ3年ほど前からだからだ.デジタル移民とは,デジタルネイティブ特有のコミュニケーションを取れるスキルを持っている,と言うのが正しいだろう.私は彼のようになりたいと思う.これからは,デジタルネイティブとも話せるし,デジタルのことが全く分からない人ともコミュニケーションができる人材が必要であると思う.そして,それは,時代の狭間にいる我々の世代が担うべきであると感じている.我々は,デジタルネイティブが持ちえない感性を持ち合わせているとも言えるのだから.具体的にそれが何なのかはまだよく分かっていないが.こういうはデジタルバイリンガルというのだろうか.ググったら,数件出てきた.まだ広くは使われていないようだ.

id:Hash は,落ち付いた感じの青年で,5歳年下とはにわかには信じられなかった.私がたぶんガキ過ぎるのだろう.自分のことを話しすぎてしまった感があり,もっと彼の話を聞きたかったという気持ちが残った.彼の価値観をもっと掘り下げて聞けばよかったと思っている.彼からは学ぶことがたくさんある.また機会を作って,是非意見交換したいと思う.

彼のようなベンチャー志向の学生は少ない.彼も周りには少ない,と言っていた.少ないが,確実に一定数はいるのだろう.頼れるものは,雇用の安定を謳う大企業ではない,自分の能力だと思う人間が.私も最近はそんなことを考えるようになった.現時点で能力が足りないとしても,そういう能力を持った人間になる,と決めた.様々な経験をし,自分の頭脳を鍛え,人脈を作り,家族と友人を大切にして,生きていけるように,周りの人々や人類に貢献できるように,結果を出すべく頑張ろう,と思う.

「本質を見抜く力」 養老孟司,竹村公太郎 PHP新書

この本のメッセージ

モノの言語化は,情報化であり,単純化,一般化である.モノを見ずに,情報に埋もれていると,本質を見失う.我々は今こそ,モノから見ることで,本質を捉える努力を意識的にしていかなればならない.

感想

「脳」に興味がある日本人は,遅かれ早かれ必ずといっていいほど養老孟司という人物を知ることになるのではなかろうか.
最近彼は,対談本を出すことが多い.おそらく,対談本という形式は,自分から本を書き起こすよりもよほど少ない労力で本を制作できるのではなかろうか.これまでにたくさんの本を出してきた養老孟司ならばまだ許せる範囲であるが.養老孟司に興味を持った方は,まずはもっと昔の彼の著作を読んで頂きたい.「唯脳論」とか.「バカの壁」とか.

この本では,竹村公太郎(元国土交通省河川局長)が出してくる日本のインフラである環境,食料,エネルギーに関する統計データを元に,養老孟司と対談しながら日本の抱える問題点について議論していく.結論は,先のメッセージに書いた通りである.政治家や官僚を悪とする論調ではなく,むしろ何か問題があるとすぐに悪者探しをしがちな現代日本人は,「モノ」を見ていない,と警鐘を鳴らしている.

農業経済の専門家である神門善久を迎えて3人での対談を収録した第6章「日本の農業,本当の問題」は,これだけでも読む価値はある.ここで紹介されていた神門氏の著作「日本の食と農」は読んでみたいと思う.

私はこの本のメッセージに大いに共感する.政治経済の本質を理解したければ,人間を見る必要があるように.情報技術の本質を理解したければ,それを処理するハードウェアを見る必要があるように.

将来 頭脳労働で生きていくための 最低限の能力を身に付けたい10代へ

2chのニュー速に立ったドラゴン桜スレに投稿しようとしたら規制されてたの忘れてたのでこっちに書いとく


受験とか関係なく 将来 頭脳労働で生きていくための最低限の能力を身に付けたい10代へ

  • 他人の話を鵜呑みにせず 自分の頭で考えること 具体的に言えば 入ってくる情報の 自分にとっての価値 を常に判断すること
  • とにかくたくさんの情報に目を通すこと そのうち分かるが 本にはこれまでの人類の知識が凝縮されている 小説も新書もマンガも含めて興味があるものはどんどん読め
  • どうしたら勉強が楽しくなるかを考えること

特に最後のは難しい なんらかの理由で勉強を一度嫌いになった人間が再び勉強を好きになれるような教育を少なくとも日本では実践できていない

本来人間にとって知らないことを知るってのは楽しい行為なんだよ そのモチベーションを奪うのが 勉強する動機づけとして大人が言う 子供でも薄っぺらいと看破できる論理

何のために勉強するのか 自分だけの理由をいつも考えろ それが出来ないうちに勉強しようとしてもモチベーションが続かない そのまま大人になってしまったならば 畑を耕せ 勉強したくなったときは何歳でも遅くない 迷わず始めろ